知らないおじさんに「ご武運を」と言われました。
悪いことではなく、励まされたっぽいのですが
どういう意味ですか?
これは江戸時代頃から来てるのですか?
戦(いくさ)から来た言葉ですか?教えてください。
A.「ご武運を」とは、
相手の成功や幸運を祈る時に使う表現です。
元々は戦いにおける勝ち負けの運命や、
武士や軍人としての運命を意味する
「武運」という言葉に、敬語の「ご」がついた言葉です。
現代では、大切な試験や競技、ビジネスの成功など、
重要な挑戦に臨む人を励ます時に使われることがあります。
馬券や車券を購入した際に言われた場合は、
その勝負事での成功を祈っているという意味合いで使われたのでしょう。
もし「ご武運を」と言われたら、
感謝の意を示す「ありがとうございます」と返すのが一般的です。
「ご武運を」という表現は、
確かに戦いや武士の運命に関連する言葉「武運」から来ています。
この言葉は「戦いにおける勝ち負けの運命」や
「武士や軍人としての運命」という意味を持ち、
南北朝時代の軍記物語「太平記」にも登場している古い日本語です。
元々は戦いに出る人への勝利を祈る応援の言葉として使われていましたが、
現代ではさまざまな場面での運命や成功を祈る意味で使われることがあります。
特にビジネスシーンでの使用については
賛否が分かれることもあるようですが、
親しい関係性がある相手に対して使うのが無難とされています。
したがって、「ご武運を」という言葉は、
江戸時代だけでなく、もっと古い時代から
戦いに関連する文脈で使われてきた表現であり、
現代でもその精神を引き継いで、
様々な挑戦や試紛に臨む人を励ます言葉として用いられています。
Q.「武運」の由来について
もっと詳しく教えてください。
「武運」は、古くから
日本の歴史や文化に深く根付いた言葉で、
戦いや戦場での幸運を意味します。
この言葉は「武士の運」とも解釈され、
戦いにおける運命や成功を願う際に使われてきました。
由来については、
「武運」が最初に使われた具体的な時期や出典は不明ですが、
日本の古典文学「太平記」(1318年頃)にその用語が見られることから、
少なくとも鎌倉時代末期から南北朝時代にかけては既に使われていたことが分かります。
また、「長久」という言葉は、
平安時代前期の菅原道真による漢詩文集「菅家文草」(900年頃)に見られることから、
これらの言葉が組み合わさって「武運長久」という四字熟語が成立したと考えられます。
「武運長久」という表現は、戦場での幸運が長く続くこと、
すなわち兵士や武士がいつまでも無事であることを願う意味で使われてきました。
現代では、戦いや競争が激しいビジネスシーンやスポーツなど、
さまざまな分野で挑戦する人への励ましや成功を祈る言葉として用いられることがあります。
このように、「武運」は日本の歴史や文化の中で長い間、
重要な役割を果たしてきた言葉であり、
今日に至るまで多くの人々によって大切にされている表現です。