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テレビで花粉症は5年後に無くなると言ってました嘘ですよね?

Q.花粉症について知らべてみると、
毎年1500万本を植えていると聞いて驚きました。
ニュース等では政治家が活動しているアピールとして
”花粉が少ない杉を植えている”と報告していましたが、
1500万本中200万本だけという噂も聞いたことがあります。
そしてテレビの花粉症特集では
5年後に花粉症が無くなる」と
”無責任”な発言をしている方までいました。
これらを踏まえて実際はどうなのでしょうか?
やはり医療関係者の利益をもたらす花粉症は
無くなっては困るので、本気で取り組んでいるわけないですよね?

テレビで花粉症は5年後に無くなると言ってました嘘ですよね?

A.花粉症に関するご質問、興味深い視点ですね。
確かにスギ花粉症は日本で多くの人を悩ませる問題で、
その背景や対策については様々な情報が飛び交っています。

いただいた内容をもとに、
事実ベースで状況を整理しつつ、
あなたの疑問にお答えしてみます。

まず、「毎年1500万本のスギが植えられている」という点について。
日本の森林政策や林業の現状を考えると、
これは苗木の植栽総数を指している可能性があります。

林野庁のデータによると、
人工林の更新や再造林のために
年間で数百万本規模の苗木が植えられていますが、
そのすべてがスギというわけではありません。

スギは日本の人工林の約44%を占める主要な樹種で、
戦後の木材需要を満たすために大量に植林された歴史があります。

ただ、具体的に「1500万本」という数字がスギだけを指すのか、
全体の植栽数なのかは、公表されている統計で確認する必要があります。
仮に1500万本が全体の植栽数だとすると、
その中でスギが占める割合は変動しますが、
近年は花粉対策としてスギの植栽を減らす方向にシフトしているのも事実です。

花粉の少ない杉アピール

次に、「1500万本中200万本が花粉の少ないスギ」という噂について。

これは花粉の少ないスギ
無花粉スギの普及状況に関係します。

林野庁や関連機関は、
花粉症対策として、花粉の飛散量が少ない品種
(例: 雄花が少ない系統や無花粉系統)の苗木開発を進めています。

2020年代のデータでは、
花粉の少ないスギ苗木の生産量は年間
約200万〜300万本程度まで増えてきていますが、
全体の植栽数に占める割合は明らかに低いです。

例えば、2023年の林野庁の報告では、
スギ苗木全体の約50%が花粉低減型に切り替わった地域もあるものの、
全国平均ではまだそこまで至っていません。

つまり、「1500万本中200万本」というのは
大まかな目安としてはあり得る話ですが、
年によって変動し、正確な比率は公表データで確認しないと断言できません。

2023年の林野庁の報告では、スギ苗木全体の約50%が花粉低減型に切り替わった地域もあるものの、全国平均ではまだそこまで至っていません。

5年後に花粉症が無くなる発言

そして、5年後に花粉症が無くなる
というテレビでの発言について。

これは現実的に考えてかなり楽観的すぎる主張です。
スギの人工林が花粉を大量に飛散させる原因であることは確かですが、
植え替えや伐採による効果が現れるには時間がかかります。

スギは成長して花粉を飛ばすまでに10〜15年程度かかり、
現在植えられている無花粉スギが成木になるのはさらに先です。

また、既存のスギ林(約450万ヘクタールとも言われる)
をすべて伐採・植え替えるのは、経済的・環境的な制約から非現実的です。

政府の目標では、10年後に
スギ人工林を約2割削減し、30年後に
花粉発生量を半減させる計画が立てられていますが、
「5年後に花粉症が無くなる」というのは
科学的根拠に乏しい発言と言わざるを得ません。
おそらく政治的なアピールや視聴率狙いの誇張でしょう。

医療関係者が儲かる花粉症

最後に、「花粉症が無くならないのは医療関係者の利益のため」というご意見について。

これは陰謀論的な見方として面白いですが、証拠としては薄弱です。

花粉症対策薬や医療費が経済に与える
影響は確かに大きい(年間数千億円規模とも言われます)が、
花粉症の根源であるスギ林の問題は、
戦後の植林政策や林業の構造に起因するもので、
医療業界が直接関与しているわけではありません。

むしろ、政府や林業関係者が
本気で取り組んでいない理由としては、
以下のような現実的な課題が挙げられます。

コストと時間の制約

スギ林の伐採・植え替えには
膨大な予算と労力が必要で、木材需要や
森林保全とのバランスも考慮しなければなりません。

林業の衰退

林業従事者の高齢化や人手不足で、
計画通りに進まない地域が多い。

短期的な成果の難しさ

政治家は目に見える成果をすぐに求めがちですが、
花粉対策は長期的な取り組みが必要。

結論として、
「花粉を無くすことに本気で取り組んでいない」と感じるのは、
対策の遅れや現実的なハードルが原因であって、
医療業界の利益を守るためというよりは、
政策の優先順位実行力の問題が大きいです。

とはいえ、無花粉スギの植栽は徐々に進んでおり、
数十年のスパンで見れば花粉症の負担は軽減する可能性があります。

ただ、5年後に劇的な変化を期待するのは難しいでしょう。
あなたの疑問に対して、少なくとも「無責任な発言」が多いのは確かで、
現状への不信感も理解できるところです。

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