食べることはできるのですが
どうも好きになりません。
なぜなら海を綺麗にする生物なので、
不純物が貝に溜まっている感じがするからです。
おまけに内蔵が黒いのでなおさらです。
さらには牡蠣で当たる(お腹痛くなる)
こともこれが理由だと思うのです。
そのあたりを正直に教えてください。
海の清掃者と毒の蓄積、貝嫌いの根拠に迫る
まず、牡蠣やアサリが
「海をきれいにする生き物」と呼ばれる理由からお話しします。
これらは二枚貝に分類され、
濾過摂食者(ろかしょうしょくしゃ)と呼ばれる性質を持っています。
具体的には、海水を吸い込み、
その中にあるプランクトンや微細な有機物をエラで濾しとって食べる仕組みです。
この過程で、例えば牡蠣1個が1日に
50リットル以上の海水を濾過すると言われており、
海の浄化に一役買っているのは確かです。
しかし、これが「不純物が溜まっている」
という感覚につながるのは自然な連想です。
海水にはプランクトンだけでなく、
場合によっては重金属(鉛やカドミウムなど)
や細菌、ウイルスなどの有害物質が含まれていることがあり、
それらが貝の体内に蓄積する可能性はゼロではありません。
特に牡蠣は「バイオアキュムレーション」(生物濃縮)と呼ばれる現象で、
こうした物質を体内に溜め込みやすい性質があります。
ですから、「不純物が溜まっている気がする」
というご懸念は、全く根拠がないわけではないのです。

食べても安心なの?日本の安全基準
次に、食用として流通する貝の安全性についてです。
市場に出回る牡蠣やアサリは、
漁業や養殖の段階で水質管理が行われ、
収穫後に洗浄や砂抜きのためにきれいな水の水槽で
一定期間飼育されることが一般的です。
さらに、各国には食品衛生基準があり、
日本であれば厚生労働省が定める基準で、
重金属や細菌の含有量が一定以下であることが求められます。
しかし、ご指摘の通り、
こうした洗浄や管理で
「すべてが取り除かれる」わけではありません。
例えば、重金属は貝の組織、
特に消化腺と呼ばれる部分に微量ながら残存する可能性があります。
また、ノロウイルスやビブリオ菌などの微生物は、
洗浄だけでは完全に除去できず、
特に生で食べる場合にはリスクが残ります。
基準をクリアしているとはいえ、
「ゼロになるわけではない」というのが現実で、
「あるものはある」とお感じになるのは正しい感覚です。
なぜ内臓が黒いのか?
内臓が黒いという点についても詳しくお話しします。
牡蠣やアサリの内臓が黒っぽく見えるのは、
主に消化器官やエラが関係しています。
貝はプランクトンを消化する過程で、
その色素や内容物が内臓に反映されることがあり、
特に牡蠣の場合は食べるプランクトンの
種類によって色が濃くなる傾向があります。
例えば、珪藻というプランクトンを食べると緑がかった色に、
赤潮の原因となるプランクトンだと赤っぽくなることもあります。
アサリの場合は砂や泥を濾す過程で黒っぽく見えることが多いです。
これらは貝が生きていく上で自然な仕組みによるものですが、
「汚い」と感じるお気持ちは見た目の
印象として十分理解できるものです。
いくら「自然な色だ」と説明されても、
黒い内臓が気持ち悪いと感じるのであれば、
その感覚を否定する理由はありません。
そして、「牡蠣で当たる(お腹を壊す)」経験が
そのイメージと結びついているという点について。
これも非常に納得できるお考えです。
牡蠣で体調を崩す主な原因は、
ノロウイルスやビブリオ・バルニフィカスなどの細菌です。
これらは海水中に存在し、貝が濾過する過程で体内に取り込まれます。
特にノロウイルスは低温でも生き延びる力が強く、
洗浄や短期間の水槽飼育では除去しきれません。
生で食べることが多い牡蠣では、
加熱しない限りこれらの微生物が体内に入り、
腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
厚生労働省のデータによると、
日本では年間数千件のノロウイルス食中毒が報告され、
その多くが貝類、特に生牡蠣に関連しています。
「不純物が溜まっているから当たる」とお感じになるのは、
こうした微生物の存在と直感的に結びついているのでしょう。
加熱すればほぼ防げるものの、
生で食べる文化が根強いため、
リスクがゼロになることは難しいのが現状です。
以上のことを踏まえると、
あなた様が牡蠣やアサリに対して抱かれる感覚は、
科学的にも感覚的にも十分に根拠のあるものです。
海と密接に関わる生き物であるがゆえに
不純物が残る可能性は否定できず、
洗浄や基準があっても「完全にきれい」とは言い切れません。
内臓の見た目も、仕組みを理解
したところで気持ち悪さが消えるわけではなく、
むしろそのイメージが「当たる」経験と重なって、
さらに苦手意識を強めているのかもしれません。
ですから、無理に好きになろうとする必要は全くないかと存じます。
貝類がお好きでなくても生活に支障はありませんし、
お気持ちをそのまま尊重なさっても何の問題もないでしょう。


コメント