トレーニング本には超回復という言葉が多用されていました。
説明としては「筋肉が筋トレで壊されると、
回復する際に以前より少し成長する(大きくなる)」というものでした。
しかしながら、令和時代では”超回復は嘘”という声が大半になりました。
これは一体どういう事なのでしょうか?
筋肥大は筋肉が傷つき負けないように大きくなるのではないのですか?
A.「超回復」という概念が
昭和のトレーニング文化で広く信じられていたのは確かですし、
その説明もシンプルで分かりやすかったですよね。
「筋トレで筋肉が壊れて、回復する際に少し強くなって戻る」
というイメージは、直感的にも納得しやすいものでした。
しかし、令和の現在では
「超回復は嘘」とされることが増えたのは、
科学的な研究が進み、筋肥大のメカニズムが
もっと複雑で多面的だと分かってきたからです。
では、順を追って説明してみます。

超回復とは何だったのか?
超回復(supercompensation)は、
筋肉をトレーニングで疲労させると、
一時的にパフォーマンスが落ちるけど、
休息を挟むと筋肉が以前より少し強く、
大きくなって回復するという理論です。
昭和時代のトレーニング本では、
これが筋肥大の主な仕組みとして紹介され、
「48~72時間休息を取れば筋肉が成長する」
みたいな具体的な時間枠まで提示されていました。
このシンプルさが当時のトレーニーに受け入れられた理由でしょう。
なぜ「嘘」と言われるようになったのか?
現代の研究で分かってきたのは、
筋肥大が単に「筋肉が壊れて回復する」
だけのプロセスではないということです。
超回復というモデルは、
以下のような理由で疑問視されています。
筋肥大のトリガーは多様
筋肉が成長する要因は、
「筋繊維の損傷」だけじゃなく、
機械的張力(メカニカルテンション)や
代謝ストレスも大きな役割を果たします。
例えば、重いウェイトを扱うことで筋肉にかかる張力が刺激となり、
成長ホルモンやテストステロンの分泌が促されたり、
筋タンパク質合成が活性化したりします。
超回復は「損傷→回復」に焦点を
当てすぎていて、他の要素を説明しきれません。
回復と成長のタイミングが一致しない
超回復では「休息後に筋肉が強くなる」とされますが、
実際には筋タンパク質合成はトレーニング後
24~48時間以内にピークを迎える一方で、
筋肉の「見た目のサイズ」や
「力」が増えるのはもっと長いプロセスです。
つまり、超回復が示すような
「一回の休息で筋肉がパワーアップ」
という単純なサイクルでは説明しきれないのです。
個人差が大きすぎる
超回復は「48~72時間で回復」みたいな
画一的なモデルを前提にしていますが、
実際には年齢、性別、トレーニング経験、
栄養状態、睡眠などで回復速度や成長の度合いが大きく異なります。
これが万人に当てはまる理論として通用しなくなった一因です。
損傷が必須ではない
昔は「筋肉が傷つかないと成長しない」と思われていましたが、
研究で「筋損傷がなくても筋肥大は起こる」ことが分かってきました。
例えば、低負荷でも高回数のトレーニング
(代謝ストレス重視)で筋肥大が達成できるケースもあります。
超回復は「損傷ありき」の考えに依存しすぎていたんですね。
じゃあ筋肥大はどうやって起こるの?
筋肥大の現在の理解では、
以下の3つの要素が主に絡んでいます。
機械的張力
筋肉に強い負荷をかけることで、
細胞レベルで成長シグナルが送られる。
代謝ストレス
筋肉が疲労する過程で乳酸などが溜まり、
これが間接的に成長を促す。
筋損傷
確かに一因ではあるけど、必須ではない。
損傷がなくても他の要素で十分成長する。
これらが組み合わさって、
筋タンパク質合成が分解を上回る状態が続けば、筋肉は大きくなります。
つまり、「筋肉が傷ついて負けないように大きくなる」
というのは部分的には正しいけど、それだけじゃなく、
超回復みたいな単純なサイクルでは捉えきれないのです。
「超回復は嘘」は言い過ぎ?
ただし、「超回復は嘘」と
断言するのも少し極端かもしれません。
超回復の概念自体は、
トレーニングと休息の重要性を伝える
簡易モデルとしては今でも役立ちます。
特に初心者にとっては、
「やりすぎず休む」ことを意識させる良い目安になります。
ただ、科学的に厳密なメカニズムとしては不十分で、
現代のトレーニング理論ではもっと
包括的な視点が求められている、ということですね。
結論
筋肥大は「筋肉が傷ついて回復する」だけでなく、
負荷やストレス、ホルモン、栄養などが複雑に絡み合った結果です。
超回復が昭和で流行ったのは、
そのシンプルさが魅力だったから。
しかし令和の今、研究が進んで
「それだけじゃない」と分かってきたので、
「嘘」とまでは言わないが、
古い考え方と見なされるようになったのです。
トレーニングは科学と実践の積み重ねですから、
これからも新しい発見で理解が深まっていくでしょう!


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