スマホのスクロールが止まらない?
ショート動画中毒が若者に与える深刻な影響
YouTubeにTikTok、Instagram、
色々なサイトでショート動画がありますが
依存症などと言われているだけではなく
社会的不安を感じてしまう怖い研究があるそうです。
これはどんな影響があるのでしょうか?

中国・煙台大学の研究に基づく
ショート動画中毒の影響に関するこの研究があります。
ショート動画中毒が若者の生活の質、
特に睡眠の質と社会不安に及ぼす影響を調査したもので、
ギャンブル依存症との類似性についても議論の一部として触れられています。
見やすく、わかりやすく整理し、ギャンブル依存症との比較も含めて説明します。
1.研究の概要
*研究目的*
ショート動画中毒が、
高校生の睡眠の質や社会不安に
どのような影響を与えるかを調査し、
社会不安がその関係を媒介する役割を検証すること。
*対象*
中国・山東省の3つの高校に通う
1・2年生1629人(男子831人、女子798人、平均年齢16~17歳)。
2.主な研究結果
(1) ショート動画中毒の現状
中国インターネット情報センター
(CNNIC, 2021)のデータによると、
2021年12月時点で中国の
ショート動画ユーザーは約9億人(ネットユーザーの87.8%)。
1日平均視聴時間は125分で、半数以上が毎日視聴。
ショート動画(15秒~数分)は、
テンポの速い編集、キャッチーな音楽、
トレンドトピックで設計されており、若者に爆発的な人気。
高校生の間で特に中毒症状が顕著で、
視聴時間が長いほど生活への悪影響が顕著に現れる。
(2) 睡眠の質への影響
*結果*
ショート動画の視聴時間が長い生徒ほど、
睡眠の質が低下する傾向が確認された。
具体的には、過度な視聴が
夜間のスクリーンタイムを増加させ、
睡眠の開始や持続を妨げる。
睡眠の質低下は、身体的発達(血圧、視力、免疫機能)
や認知機能(集中力、記憶力)に悪影響を及ぼす。
*原因の考察*
!ショート動画の刺激的な内容が
脳を過剰に活性化し、就寝前のリラックスを妨げる。
!プラットフォームのアルゴリズムが次々と動画を推薦し、
視聴をやめられない「連続視聴のループ」に陥る。
(3) 社会不安との関係
*結果*
ショート動画中毒の重症度が高い生徒ほど、
社会不安のレベルが高いことが判明。
社会不安は、ショート動画中毒と
睡眠の質低下の関係を部分的に媒介する。
モデル分析では、ショート動画中毒がまず社会不安を引き起こし、
それが睡眠の質低下につながる可能性が示唆された。
原因の考察
*社会的比較*
ショート動画では、理想化された
同年代の生活や外見(モデル、インフルエンサーなど)が頻繁に登場。
これにより、視聴者は自分と他者を比較し、
身体イメージの悪化や自己評価の低下を招く。
*時間の浪費による焦燥感*
長時間の視聴後、有効に時間を
使えなかったという後悔や焦りが不安を増大させる。
*精神的な疲労*
短いスパンで大量の刺激的なコンテンツを消費することで、
精神的な疲労が蓄積し、ネガティブな思考に陥りやすくなる。
3. ショート動画中毒のメカニズムとギャンブル依存症との類似性
ショート動画中毒は、ギャンブル依存症と
類似した行動依存の特徴を持つと一部で指摘されています。
この研究では直接的にギャンブル依存症
との比較は行われていませんが、以下の点で類似性が考えられます。
(1) 共通する依存メカニズム
報酬系の活性化
ショート動画
短時間で強い刺激(笑い、驚き、感動)
が得られ、ドーパミン報酬系を活性化。
プラットフォームのアルゴリズムが好みに
最適化されたコンテンツを次々に提供し、視聴を継続させる。
ギャンブル依存症
賭けの結果(勝敗)による
即時的な報酬がドーパミンを放出し、繰り返し行動を誘発。
類似点
両者とも「即時的な報酬」を求める行動が中毒性を高める。
ショート動画は「次に面白い動画があるかもしれない」
という期待感が、ギャンブルの「次に勝てるかもしれない」に似る。
制御の喪失
ショート動画
「1本だけ見るつもりが2時間経過」といった制御不能感が特徴。
ギャンブル
賭けをやめられない、負けを取り戻そうとする衝動。
類似点
両者とも「やめたいのにやめられない」状態に陥り、
日常生活(学業、対人関係、睡眠)に支障をきたす。
心理的・社会的影響
ショート動画: 社会不安、睡眠障害、自己評価低下。
ギャンブル: 経済的困窮、対人関係の悪化、うつや不安。
類似点: 両者とも精神的な疲労や孤立感を増大させ、生活の質を下げる。
4.ショート動画中毒への対策
研究者らは、ショート動画中毒を軽減し、
生活の質を維持するための具体的な対策を提案しています。
(1) 視聴時間の管理
アプリの制限
TikTok、Instagram、YouTubeなどのアプリを最小限にし、不要なものは削除。
通知オフ
アプリの通知を無効化し、視聴のきっかけを減らす。
タイマー設定
1日15分など視聴時間を制限するルールを設ける。
時間帯の指定
夜間(就寝前)の使用を避け、睡眠の質を守る。
(2) 目標設定
大きな目標の設定
学業、趣味(絵、音楽、小説など)、
スポーツなど、明確な目標を持つことで
時間を有効活用し、暇つぶしの視聴を減らす。
例: 「絵を描く」「資格取得を目指す」「ブログを書く」
「体を鍛える」「少しでも将来につながる勉強をする」など、
自己成長につながる活動を優先。
\動画を見ているだけでは時間の無駄/
(3) 社会的サポートの強化
リアルな交流
友人や家族との対面コミュニケーションを増やし、
SNSでの比較による不安を軽減。
心理的サポート
学校や地域でカウンセリングを提供し、社会不安への対処を支援。
結論
煙台大学の研究は、ショート動画中毒が
睡眠の質低下と社会不安の増大に有意に関連し、
社会不安がその媒介要因であることを明らかにしました。
平均125分の視聴時間は、若者の生活に深刻な影響を及ぼし、
ギャンブル依存症と類似した中毒メカニズム(報酬系、制御喪失)
が関与している可能性が示唆されます。
対策としては、個人レベルの視聴制限や目標設定、
プラットフォームへの規制強化が求められます。
特に、明確な目標を持つことで中毒リスクを軽減できる点は、
若者のメンタルヘルス向上に希望を与える提言です。
・Jiang, L., Yoo, Y. Adolescents’
short-form video addiction and sleep quality:
the mediating role of social anxiety. BMC Psychol 12, 369 (2024).
・中国インターネット情報センター(CNNIC, 2021)。
・ギャンブル依存症に関する議論: Frontiers in Psychology (2024).
・カリフォルニア州の子どもデータ保護法: Cambridge University Press (2024).


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