堕天使のおすそ分け(残尿)は
なぜ起こるのでしょうか?
これはオッサンになると仕方がない事なんでしょうか?
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残尿感には3種類あり
1.小便が終わったと思ったらまだ出る感覚
(その場で続けて出せば完了)
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2.もうパンツを履いたのに後から少し出てしまう
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3.もう出ないんだけど亀頭辺りがムズムズモヤモヤして
痛いような何かあるような気持ち悪い感じ
(放置すれば治ります)
1.2は歳を取ればなると思いますが、
3の感覚は若い頃にもたまにありました。
この3つの原因はそれぞれ何でしょうか?

残尿感の全体的な背景
残尿感は、膀胱や尿道、前立腺などの泌尿器系の機能や構造の問題、
または神経系の調整の問題によって起こることがあります。
年齢とともに前立腺肥大症(BPH)や
膀胱の筋力低下などが関与することが多いですが、
若い人でも感染症や神経因性の問題で同様の症状が現れることがあります。
それぞれのケースを個別に分析してみましょう。
1.小便が終わったと思ったらまだ出る感覚
(その場で続けて出せば完了)
*原因*
膀胱の収縮不足
膀胱が完全に収縮せず、
尿が少し残ってしまうことがあります。
これは加齢による膀胱筋(排尿筋)の弱化や、
神経系の調整の問題(過活動膀胱や神経因性膀胱など)が関与する場合があります。
尿道の閉鎖不全
尿道括約筋が適切に閉じなかったり、
尿道内に尿が少し残ったりすることで、排尿後に「まだ出る」感覚が生じます。
前立腺の問題
特に40代以上の男性では、前立腺肥大症(BPH)
により尿道が圧迫され、尿の流れが妨げられることで残尿感が生じることがあります。
若い人でも、尿道炎や軽度の前立腺炎
(特に非細菌性)が原因で同様の症状が出ることがあります。
*年齢との関係*
加齢に伴い、前立腺肥大や膀胱筋の
衰えが起こりやすくなるため、この症状は中年以降でより一般的です。
ただし、若い人でもストレスや感染症、
過労などで一時的に膀胱の神経調整が乱れると発生することがあります。
*対策*
排尿時に十分な時間をかけて膀胱を空にする
(「ダブルボイド法」:一度排尿した後、少し待って再度トライする)。
骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)で膀胱や尿道のコントロールを強化。
前立腺肥大や炎症が疑われる場合は、泌尿器科で診察を受ける。

2.もうパンツを履いたのに後から少し出てしまう
*原因*
尿道内残尿(ポストミクションドリブル:PMD)
尿道が長い男性では、排尿後に尿道内に尿が残り、
パンツを履いた後に少しずつ漏れ出すことがあります。
これは尿道の構造や重力、尿道括約筋の緩みによるものです。
前立腺肥大症
前立腺が尿道を圧迫すると、
尿がスムーズに流れず、尿道内に残りやすくなります。
骨盤底筋の弱化
骨盤底筋が弱まると、
尿道をしっかり閉じる力が低下し、尿が漏れやすくなります。
神経因性の問題
膀胱と尿道の神経調整がうまくいかない場合
(例:過活動膀胱や糖尿病による神経障害)でも起こりえます。
*年齢との関係*
この症状は特に中年以降(40代~)で顕著になります。
前立腺肥大や骨盤底筋の衰えが主な原因です。
若い人ではまれですが、尿道炎や過剰な飲酒、
ストレスなどが一時的な原因となることがあります。
*対策*
尿道ミルキング
排尿後に尿道を手で軽く圧迫
(根元から亀頭に向かってしごくように)して残尿を出す。
!骨盤底筋トレーニングで尿道括約筋を強化。
!前立腺肥大が疑われる場合は、泌尿器科で前立腺のサイズやPSA検査を受ける。
!水分摂取のタイミングを調整(就寝前や外出前に過剰な水分を避ける)。
3.もう出ないが、亀頭辺りが
ムズムズモヤモヤして痛いような
気持ち悪い感じ(放置すれば治る)
*原因*
尿道の刺激や軽い炎症
尿道の粘膜が刺激されることで、
ムズムズ感や違和感が生じることがあります。
原因としては、尿の濃度(濃い尿による刺激)、
軽い尿道炎、性行為後、または脱水などが考えられます。
非細菌性前立腺炎
若い男性でも起こりうる慢性前立腺炎(特に非細菌性)
が原因で、尿道や亀頭に違和感が生じることがあります。
これはストレス、過労、性的刺激の過剰などが関与する場合があります。
神経過敏
膀胱や尿道の神経が過敏になっている場合
(過活動膀胱や感覚過敏)でも、ムズムズ感が現れることがあります。
尿道内の微小な残尿
尿道に微量の尿が残り、それが粘膜を
刺激することで違和感を引き起こす場合もあります。
*年齢との関係*
この症状は若い人でも起こりやすく、
加齢によるものというよりは一時的な刺激や炎症が主な原因です。
ただし、加齢に伴う前立腺の問題(前立腺炎や肥大)が関与する場合もあります。
*対策*
水分摂取を増やす
尿を薄めることで尿道の刺激を軽減。1日2L程度の水分を目安に。
清潔を保つ
亀頭や尿道口を清潔に保ち、
刺激の強い石鹸やボディーソープを避ける。
ストレス管理
ストレスや過労が非細菌性前立腺炎の
原因になることがあるため、リラックスを心がける。
症状が頻発する場合や痛みが強い場合は、
泌尿器科で尿検査や前立腺の診察を受ける。
オッサンになると仕方ないのか?
1と2の症状は、加齢による前立腺肥大や
膀胱・骨盤底筋の衰えが関与することが多いため、
中年以降(40代~)でより頻繁に見られます。
ただし、完全に「仕方ない」と諦める必要はなく、
骨盤底筋トレーニングや生活習慣の改善、
必要に応じた医療介入(例:前立腺肥大の薬物療法)で症状を軽減できます。
3の症状は若い人でも起こりうるもので、
加齢よりも一時的な刺激や炎症が主な原因です。
ただし、加齢による前立腺の問題が関与する場合もあるため、
症状が続く場合は年齢に関係なく診察を受ける価値があります。
総合的なアドバイス
1.生活習慣の見直し
水分を適切に摂取(濃い尿は尿道を刺激するので、薄い尿を保つ)。
カフェインやアルコールの過剰摂取を避ける(膀胱を刺激する)。
便秘を防ぐ(便秘は前立腺や膀胱を圧迫し、残尿感を悪化させる)。
2.骨盤底筋トレーニング
尿道括約筋や骨盤底筋を鍛えることで、
1と2の症状を改善できる可能性が高いです。
ケーゲル体操(肛門や尿道を締める運動)を1日数回、10~15回を目安に。
3.医療機関の受診
症状が頻発する、痛みが強い、
血尿や排尿困難を伴う場合は、泌尿器科での診察をおすすめします。
特に以下をチェック。
*前立腺検査*:PSA検査や直腸診で前立腺肥大や前立腺炎を評価。
*超音波検査*:膀胱に残尿があるか確認。
*尿流動態検査*(必要な場合):膀胱や尿道の機能を詳細に評価。
4.若い頃にもあった3の症状について
若い時に感じていた3のムズムズ感は、
非細菌性前立腺炎や尿道の軽い刺激が原因である可能性が高いです。
これらは一時的なストレスや生活習慣
(例:長時間の座位、過剰な性的刺激、脱水など)
が関与することが多く、加齢に限定されない症状です。
結論(まとめ)
1(まだ出る感覚)
膀胱収縮不足や前立腺の問題が主な原因。
加齢で増えるが、若い人でも起こりうる。
2(パンツを履いた後に漏れる)
尿道内残尿や前立腺肥大、
骨盤底筋の弱化が主な原因。加齢で顕著になる。
3(ムズムズ感)
尿道の刺激、非細菌性前立腺炎、神経過敏が主な原因。
年齢に関係なく起こるが、前立腺の問題が関与する場合も。
「オッサンになると仕方ない」と完全に諦める必要はありません。
生活習慣の改善やトレーニングで症状を軽減できる可能性が高く、
症状が気になる場合は泌尿器科での評価が有効です。


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