Q.部屋の掃除中に、
母が10年間使っていないミキサーを見つけ、
「あなたは食材をジュースにして使うでしょう?」
と言って、私に譲ろうとしました。
しかし私は、固形物を噛んで食べることの
大切さについて多少の知識があったため、
「何でもミキサーでジュースにするのは良くない。
噛むことには重要な意味がある」と説明しました。
ところが母はその説明に納得せず、
「じゃあいいわ!」と怒ってしまい、
話が噛み合いませんでした。
私は健康面を考えて正しい知識を伝えたつもりでしたが、
結果的に私が悪いかのような雰囲気になり、悲しい気持ちになりました。
そこで質問です。
ジュース化中心の食生活に潜むリスクを、
年配の人にも理解できるように分かりやすく説明してください。
何でもミキサーでジュースにするのは危険?噛むことが体と脳に与える深刻な影響
「健康のために野菜や果物をミキサーでジュースにする」
一見とても良さそうに聞こえます。
しかし実は、
“何でもジュースにする食生活”は
体にとって大きなリスクをはらんでいます。
その理由は単純で、
人間の体は「噛むこと」を前提に設計されているからです。
噛む行為は、単に食べ物を
細かくするだけではありません。
消化・ホルモン・神経・脳・免疫・精神状態にまで深く関わっています。
噛むことをやめると、体の中で何が起きるのか?
① 消化のスタート地点「口」が機能しなくなる
噛むことで唾液が分泌されます。
唾液にはアミラーゼなどの消化酵素が含まれ、
食べ物の分解は口の中から始まります。
ジュースにするとこの工程が省略され、
胃と腸にいきなり負担がかかります。
結果として、胃もたれ・消化不良・腸内環境の悪化が起こりやすくなります。
② 食物繊維が激減し、腸が弱る
ミキサーやジューサーでは、
不溶性食物繊維が壊れたり除去されやすくなります。
食物繊維は腸内細菌のエサとなり、
免疫力を支え、炎症を抑え、便通を整えます。
これが不足すると、
便秘・下痢・免疫低下・老化促進につながります。

③ 血糖値が一気に上がり、太りやすくなる
固形物は噛むことでゆっくり消化されますが、
ジュースは一気に吸収されます。
その結果、血糖値が急上昇し、
インスリンが大量に分泌されます。
これを繰り返すと、糖尿病・肥満・内臓脂肪増加の原因になります。
④ 満腹感が得られず、食べ過ぎる
噛む刺激は、脳に
「もう十分食べた」という信号を送ります。
これはレプチン・グレリンといった満腹ホルモンによるものです。
液体のジュースではこの信号が弱く、
いくら飲んでも満足しない状態になります。
噛むことは「神経」と「脳」を直接刺激している
⑤ 迷走神経が刺激され、自律神経が整う
噛む行為は迷走神経(副交感神経)を刺激します。
これは心拍を落ち着かせ、リラックス状態を作る重要な神経です。
噛まない食生活が続くと、
交感神経優位(常に緊張状態)になり、
イライラ・不眠・疲れやすさにつながります。
⑥ 脳血流が減り、認知機能が低下する
噛むことで三叉神経が刺激され、脳全体の血流が増加します。
これは記憶力・集中力・判断力に直結します。
実際に、咀嚼回数が少ない人ほど
認知症リスクが高いという研究もあります。
噛むことで分泌される「幸せホルモン」
⑦ セロトニンが減り、気分が落ち込む
噛む刺激は脳内でセロトニンの分泌を促します。
これは心を安定させ、うつを防ぐホルモンです。
ジュース中心の食生活ではこの刺激がなくなり、
気分の落ち込み・不安感が増しやすくなります。
⑧ ドーパミン・エンドルフィンも低下
噛むことは「食べる満足感」
を生み、ドーパミン(報酬ホルモン)や
エンドルフィン(幸福・鎮痛ホルモン)を分泌します。
液体食ではこの快感が得られず、
常に何か欲しくなる状態を招きます。
結論:ミキサーが悪いのではない
誤解してはいけないのは、
ミキサーそのものが悪いわけではないという点です。
- 病気や高齢で噛めない場合
- 補助的に栄養を摂る場合
- たまにスムージーを楽しむ程度
これらは問題ありません。
しかし、
「何でもジュースにする」
「噛まない生活」は、
人間の体の設計を無視した食べ方です。
噛むことは、最高の健康法
噛むことは無料でできる、
最も確実な健康法です。
- 消化を助ける
- 腸を守る
- 脳を活性化する
- 心を安定させる
- 老化と認知症を防ぐ
これほど多くの役割を、
「噛む」という行為一つが担っています。
健康を思うなら、まず大切にすべきなのは
ミキサーではなく、自分の歯なのです。

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