え?今はアスペルガーという言葉は死語なのですか?ASD

Q.アスペルガー症候群という言葉は
今は使わないと聞きました本当ですか?
(現在の診断名ではASDの一部とされることが多い)
アスペルガーASDではないのですか?

お父様が自己中心的な振る舞いをし家族に命令したり、自分の思い通りにならないと 怒ったりする姿をずっ見てきたことで、あなたの中に溜まったストレスや怒りは、

A.ご質問ありがとうございます。
確かにこの点は少し混乱しやすいので、わかりやすく説明しますね。

かつて「アスペルガー症候群(Asperger’s Syndrome)」は、
独立した診断名として使われていました。

これは1994年にDSM-IV
(アメリカ精神医学会の診断マニュアル)
で初めて正式に定義されたもので、

自閉症スペクトラムの一種とされつつも、
言語発達の遅れがないことや知的な障害が
比較的少ないことが特徴とされていました。

つまり、「自閉症」とは区別されつつも、
類似した特性(社会的なコミュニケーション
の困難さやこだわりの強さなど)を持つものとして扱われていたんです。

しかし、2013年にDSM-5が発表されたとき、
診断基準が見直され、「アスペルガー症候群」
という独立した診断名は廃止されました。

代わりに、それまでアスペルガー症候群、
自閉症、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)などと呼ばれていたものは、
すべて自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder、略してASD)
という一つの大きなカテゴリーに統合されたんです

このASDの中には、
重度から軽度まで幅広い症状が含まれる
「スペクトラム(連続体)」として考えられています。

だから、厳密に言うと「アスペルガー=ASDではない」というよりは、
アスペルガー症候群は現在、ASDの一部として分類されるようになった
と表現するのが正確です。

今でも「アスペルガー」という言葉は、
ASDの中でも特に言語能力や知能が
保たれているケースを指す通称として使われることがありますが、
正式な診断名としては「ASD」に統一されています。

ただし、日常会話や過去の文脈では
「アスペルガー」と呼ぶ人も多いので、
完全にその言葉が消えたわけではありません。

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