イメージではしっかり内偵を済ませてから
確実に捕らえるイメージでしたが、
最近は”証拠が無い”or”無実”という事が増えていますよね?
タレントの広末涼子さんや、サントリーの新浪会長の件もそうです。
なぜ、このようなミス?が起こるようになったのでしょうか?
曖昧でも突入する事はあるのでしょうか?
また、このようにミスで突撃された場合は、
被害届を出したり訴え返すことは出来るのでしょうか?
それともあくまで偉い警察なので泣き寝入りしかないのでしょうか?
そして、当然ながら後片付けもしてくれないのですか?
家宅捜索に関するご質問について、
順を追ってわかりやすくお答えします。
以下、ご質問のポイントごとに整理して説明します。
1.家宅捜索のイメージと
最近の「証拠がない」ケースについて
家宅捜索は、通常、裁判所が発行する令状に基づいて行われます。
令状の発行には、捜査機関が「犯罪の嫌疑がある」
「証拠が存在する可能性が高い」と裁判官を納得させる必要があります。
そのため、ご指摘のように
「内偵を済ませて確実に証拠を押収する」イメージが一般的です。
しかし、最近の広末涼子さんや
新浪剛史氏(サントリー会長)のケースでは、
捜索後に「証拠が見つからなかった」といった報道が見られることがあります。
なぜ「証拠がない」ケースが目立つのか?
以下の要因が考えられます。

捜査の初期段階での実施
家宅捜索は必ずしも「確実に証拠がある」場合に限らず、
嫌疑を裏付けるために行われることもあります。
たとえば、薬物や危険運転の疑いがある場合、
証拠(薬物、運転記録、処方薬の記録など)を早期に確保する必要があるため、
確実な証拠がなくても捜索に踏み切ることがあります。
広末涼子さんのケースでは、
危険運転致傷の疑いで捜索が行われたが、
薬物検査で違法薬物は検出されなかったと報じられています。
メディアの注目度
著名人の場合、捜索のニュースが大きく報道され、
「証拠が見つからなかった」結果も強調されるため、
ミスのように見えることがあります。
実際には、捜査の一環として行われた捜索が「空振り」に終わることは珍しくありません。
複雑な容疑の検証
たとえば、広末さんのケースでは、
傷害容疑での逮捕後に危険運転致傷の疑いで捜索が行われた。
これは、事故の原因(薬物の影響や健康状態など)を調べるためで、
必ずしも「証拠がある」と確信していなくても、
可能性を排除するために捜索が行われた可能性があります。
捜査のプレッシャー
社会的に注目度の高い事件では、
警察が「徹底的に調べた」という姿勢を示すために、
強めの捜査(家宅捜索など)を行うことがあります。
新浪氏のケースでは、経済安保関連の疑惑で捜索が行われたが、
具体的な証拠が見つからなかったと報じられた例があります。
「ミス」ではない「可能性の排除」
これらのケースが「ミス」と呼ばれるのは、
捜索後に期待された証拠が見つからなかった場合や、
嫌疑が不起訴で終わる場合です。
ただし、捜査機関にとって
「証拠が見つからない」ことはミスではなく、
捜査の一環として「可能性を排除した」結果とみなされます。
捜査の目的は、犯罪の有無を確定させることであり、
必ずしも有罪を前提としていません。

2.曖昧な段階での家宅捜索はあるのか?
曖昧な段階でも家宅捜索が行われることはあります。
以下のような場合です。
証拠保全の必要性
証拠が隠滅される恐れがある場合、
早急に捜索を行うことがあります。
たとえば、薬物やデジタルデータの隠滅を防ぐためです。
嫌疑の裏付け
明確な証拠がなくても、
合理的な嫌疑があれば令状が発行されることがあります。
広末さんのケースでは、事故前の不審な行動
(サービスエリアでの奇行など)が捜索の根拠となった可能性があります。
複合的な容疑
一つの容疑(例:傷害)で逮捕した後、
別の容疑(例:危険運転致傷)で
追加捜査が必要になる場合、捜索が行われることがあります。
日本の刑事訴訟法では、
家宅捜索の令状発行には「相当の理由」が必要ですが、
これは「確実な証拠がある」ことを意味しません。
裁判官が「犯罪の可能性と証拠が存在する蓋然性」を認めれば、令状が発行されます。
3.ミスで捜索された場合、被害届や訴訟は可能か?
家宅捜索が「不当」だった場合、
以下のような対応が考えられます。
被害届の提出
家宅捜索そのものは、令状に基づく
合法的な行為であるため、被害届を出すのは難しいです。
ただし、捜査中に明らかな違法行為
(例:令状の範囲を超えた捜索、財産の破損、暴力的行為)
があれば、警察に対する苦情や損害賠償請求の根拠になる可能性があります。
民事訴訟(損害賠償請求)
令状が不当だった、または捜査が明らかな濫用だった場合、
国家賠償法に基づき、警察や検察を相手に損害賠償を求める訴訟を起こすことは可能です。
ただし、令状が裁判所によって適法に発行されている場合、
訴訟で勝つのは非常にハードルが高いです。
過去の判例では、捜索が「合理的な根拠なく行われた」
場合にのみ賠償が認められるケースがあります(例:明らかな事実誤認や悪意)。
刑事告訴
捜査員が職権濫用(例:令状を偽造、故意に虚偽の嫌疑をでっち上げ)した場合、
職権濫用法違反(刑法193条)で告訴が可能ですが、立証は極めて困難です。
泣き寝入りしかないのか?
必ずしも泣き寝入りではありませんが、
実際には以下の理由で救済が難しい場合が多いです。
*令状の存在*
裁判所の令状がある場合、
捜索は合法とみなされ、異議を唱えるのが難しい。
*立証責任*
不当性を証明するには、警察や検察の
「悪意」や「明らかな違法性」を示す必要があり、証拠収集が困難。
*社会的コスト*
訴訟には時間と費用がかかり、
著名人でない限り注目されにくい。
ただし、広末さんのように示談が成立し釈放されたケースや、
嫌疑が晴れた場合、名誉回復のためにメディアや公式声明を通じて説明する道はあります。
4.後片付けはしてくれるのか?
日本の警察は、原則として
家宅捜索後の後片付けを行いません。
以下が現状です。
*捜索の影響*
家宅捜索では、家具や書類が散乱したり、
場合によっては物が壊れたりすることがあります。
警察は「捜査の必要性」を優先するため、部屋の原状回復義務はありません。
*例外*
明らかな破壊行為(例:必要以上に壁を壊す、故意に物品を破損)
があった場合、損害賠償請求の対象になり得ますが、これも立証が難しい。
*実態*
多くの場合、被捜索者は自分で片付けを行う必要があります。
広末さんのケースでは、捜索後に「2つのケーキ」
が運び込まれたと報じられていますが、
後片付けに関する具体的な情報は見られませんでした。
5.広末涼子さんと新浪剛史氏のケースについて
広末涼子さんのケース
2025年4月8日、静岡県で交通事故後の病院で
看護師に暴行したとして傷害容疑で逮捕。
4月10日に自宅が危険運転致傷の疑いで家宅捜索された。
薬物検査は陰性で、違法薬物の証拠は見つからなかった。
示談が進められ、4月16日に釈放。
捜索の目的は、事故原因(薬物の影響や健康状態)
の裏付けとみられるが、明確な証拠は得られなかったと報じられている。
新浪剛史氏のケース
経済安全保障関連の疑惑で家宅捜索が行われたが、
具体的な証拠が見つからなかったとされる(詳細な情報は限定的)。
このケースも、嫌疑の裏付けのための捜査だった可能性が高く、
捜索が「ミス」とは言い切れないが、結果的に証拠が得られなかった。
6.なぜ「ミス」が増えたように見えるのか?
メディアの影響
著名人の捜索は大きく報道され、
「証拠なし」の結果が強調されるため、ミスのように見える。
捜査の複雑化
薬物や経済犯罪など、証拠が
デジタル化・隠匿化しているため、
捜索が「空振り」に終わるケースが増えた。
社会的圧力
警察は「見逃し」を避けるため、広範な捜査を行う傾向がある。
結論
◉曖昧な段階での捜索
嫌疑があれば、証拠がなくても令状に基づく捜索は合法的に行われます。
◉訴訟の可能性
不当な捜索であれば損害賠償請求は可能だが、
令状がある場合、立証は困難。
◉後片付け
警察は原則として後片付けをせず、被捜索者が対応する。
◉広末さんや新浪氏のケース
捜査の一環としての家宅捜索であり、
「ミス」とは言い切れないが、証拠が見つからなかったことで注目された。
ご質問に対する具体的な救済策としては、
弁護士に相談し、捜索の令状や手続きの合法性を確認することが第一歩です。
不当性があれば、国家賠償請求や苦情申し立てを検討できますが、
実際のハードルは高いことを認識する必要があります。


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