がんリスクを下げる食べ方:わさび・大根・ブロッコリーの秘密

がん予防のカギは野菜にあった!イソチオシアネートの驚くべき効果

Q.イソチオシアネートについて詳しく詳しく教えてください。
なにやらガンにかかりにくくなるとか
リスクを減らすとか言われているようです。
含まれている食品ランキングも加えてください。



イソチオシアネートとは?

イソチオシアネート(Isothiocyanates、ITC)は、
化学構造に「-N=C=S」を持つ有機硫黄化合物で、
アブラナ科野菜(ブロッコリー、わさび、大根など)に多く含まれる成分です。

植物にとっては防御物質であり、
私たちが感じる独特の辛みや香りのもとでもあります。

1.特徴と生成のしくみ

化学的性質

反応性が高く、生物活性が強い。
不安定で熱や酸に弱い。

生成のしくみ

野菜の中では「グルコシノレート」という前駆体の形で存在。
切ったり噛んだりして細胞が壊れると、
ミロシナーゼ酵素によってイソチオシアネートが作られる。

代表的な種類

アリルイソチオシアネート(AITC:わさび・からし)
スルフォラファン(SFN:ブロッコリー)
フェネチルイソチオシアネート(PEITC:クレソン)

2.主な健康効果

抗がん作用

発がん物質の解毒を促進、がん細胞の死を誘導

抗酸化・抗炎症

細胞を酸化ストレスから守り、生活習慣病予防にも有効

抗菌作用

食中毒菌や真菌に効果。
保存料としても利用可能。

その他

肥満予防、神経保護、
自閉症やうつ症状の改善などが報告あり。

※通常の食事量(野菜200g程度)では安全。
ただし大量摂取(1g以上)すると
胃痛や甲状腺機能低下の可能性があるので注意。

3.含有量の多い食品(生100gあたりの目安)

イソチオシアネート含有量ランキング(生100gあたり)

1位.クレソン(150〜250 μmol/PEITC)
2位.ホースラディッシュ(100〜200/AITC)
3位.ブロッコリースプラウト(80〜150/SFN)
4位.辛味大根(〜80 μmol/AITC・SFN)
5位.ブロッコリー(50〜100/SFN)
6位.ラディッシュ(40〜90/SFN)
7位.本わさび(30〜80/AITC)
8位.からし(マスタード)(30〜70/AITC)
9位.キャベツ(20〜50)
10位.大根(青首大根など一般的なもの)(20〜50/AITC・SFN)
11位.ケール(20〜50)
12位.芽キャベツ(15〜40)

4.辛さと効力の関係

* 辛さが強いほどイソチオシアネートの量も多い傾向。
* 辛味大根は特に多く、抗酸化・抗がん作用も高い。
* ただし辛すぎると胃腸への刺激になりやすい。

わさびは擦りたてが最も効果的で、数分で効力がピークに。
大根はやや安定しているが、30分以上放置すると成分が半分近く減る

5.効力を保つポイント

*すりおろしたてを食べる(わさびも大根も5〜15分以内)。
*汁ごと食べる(有効成分は汁にも多い)。
*加熱は最小限:60℃以上で酵素が壊れるので、生または軽い蒸し調理がおすすめ。
*保存は短時間:冷蔵なら2〜3時間以内。冷凍は不向き。

6.実践方法

大根おろしを刺身や焼き魚に。
辛味大根なら少量で効果大。

◉わさびは寿司や刺身に擦りたてを。

クレソンブロッコリースプラウトをサラダやスムージーに加える。

1日100〜200gのアブラナ科野菜で十分な効果が得られる。

まとめ

イソチオシアネートはアブラナ科野菜の辛み成分であり、
抗がん・抗酸化・抗菌作用など多彩な健康効果を持ちます。

「辛さ=成分量の目安」ではありますが、
本当に大切なのは、新鮮さすりおろしたタイミング・食べ方

辛味大根やわさびを
「擦りたてで汁ごと食べる」ことが、
もっとも効率のよい摂取法です。

がんを遠ざける習慣:ブロッコリースプラウトと大根おろしのすすめ 終わり

コメント