ビタミンCとは?
栄養の特徴と含まれる食品
ビタミンCは、人間の体内で
合成できない必須栄養素であり、
強力な抗酸化作用や免疫力の向上に重要な役割を果たします。
健康維持に欠かせないビタミンCの特徴、
作用、不足症状、豊富に含まれる食品、
推奨摂取量について詳しく解説します。
ビタミンCの特徴と作用
ビタミンC(アスコルビン酸)は
水溶性ビタミンで、以下のような多様な健康効果があります。
抗酸化作用:
活性酸素を中和し、
細胞の酸化ストレスを軽減。
老化や慢性疾患の予防に寄与。
免疫力の強化:
白血球の機能を高め、感染症や風邪への抵抗力を向上。
コラーゲン生成の促進:
皮膚、血管、骨、歯の健康を保つために必要。
傷の治癒や肌のハリをサポート。
血管の健康維持:
血管の柔軟性を保ち、動脈硬化のリスクを軽減。
鉄の吸収促進:
植物性食品からの鉄の吸収を助け、貧血予防に役立つ。
アレルギー症状の緩和:
ヒスタミンの生成を抑え、アレルギー反応を軽減する可能性。
紫外線ダメージの軽減:
皮膚の紫外線ダメージを軽減し、シミやしわの予防に寄与。
抗ガン作用:
一部の研究で、ビタミンCの高摂取が
特定のガンのリスクを低減する可能性が示唆されている。
ストレス軽減:
副腎でコルチゾール分泌をサポートし、
ストレスへの対処を助ける。
ビタミンC不足による症状
ビタミンCが不足すると、
以下のような症状が現れる可能性があります。
壊血病:
歯ぐきや皮膚からの出血、傷の治癒遅延、関節痛。
歯や骨の弱化:
コラーゲン生成の低下により、歯や骨がもろくなる。
肌荒れ:
肌のハリや弾力が失われ、乾燥やシミが増加。
貧血:
鉄の吸収低下による鉄欠乏性貧血。
免疫力低下:
風邪や感染症にかかりやすくなる。
疲労感・脱力感:
エネルギー代謝の低下や全身の倦怠感。
母乳量の減少:
授乳中の女性でビタミンCが
不足すると母乳分泌が影響を受ける可能性。
重度のビタミンC不足はまれですが、
偏った食生活や喫煙、ストレス、
過度な飲酒などで不足リスクが高まります。
ビタミンCを豊富に含む食品
ビタミンCは多くの果物や野菜に含まれ、
日常の食事で摂取しやすい栄養素です。
以下はビタミンCが豊富な食品の例と
100gあたりの含有量の目安(日本食品標準成分表2020年版に基づく)。
*赤ピーマン*:約170mg
*黄ピーマン*:約150mg
*ブロッコリー*:約120mg(ゆでると減少)
*キウイフルーツ(緑)*:約85mg
*いちご*:約62mg
*レモン(果汁)*:約50mg
*グレープフルーツ*:約36mg
*じゃがいも*:約35mg(調理で減少)
*トマト*:約15mg
*さつまいも*:約29mg
*緑茶(煎茶、浸出液)*:約6mg(飲料としての寄与は少ない)
注意
ビタミンCは熱や光、酸素に弱く、
調理や長期保存で失われやすいため、
生で食べるか、短時間の加熱調理が推奨されます。
風邪とビタミンC
ビタミンCは免疫力を高めるため、
風邪の予防や症状軽減に役立つとされています。
一部の研究では、風邪の初期に高用量の
ビタミンC(1,000mg以上/日)を摂取することで、
風邪の期間や重症度が軽減する可能性が示唆されています。
ただし、過剰摂取は下痢や腹痛を
引き起こす可能性があるため、バランスが重要です。
風邪気味の際は、ビタミンCを多く含むフルーツ
や野菜を積極的に摂り、十分な休息と水分補給を心がけましょう。
推奨摂取量
日本の「食事摂取基準(2020年版)」
に基づくビタミンCの1日当たりの推奨摂取量は以下の通りです。
成人女性(18~64歳):100mg
妊婦:110mg(+10mg)
授乳婦:145mg(+45mg)
高齢者(65歳以上):100mg
子ども(例:6~12歳):50~85mg(年齢により異なる)
耐容上限量
過剰摂取による明確な健康被害はまれですが、
2,000mg/日を超えると下痢や腎結石のリスクが上がる可能性があります。
ビタミンCを効果的に摂るコツ
1. 生で食べる
加熱調理を避け、サラダやスムージーで摂取。
2.新鮮な食材を選ぶ
収穫後時間が経つとビタミンCが減少するため、新鮮なものを。
3. こまめに摂取
水溶性で体内に蓄積されにくいため、毎食に取り入れる。
4. 喫煙者は多めに
喫煙はビタミンCを消費するため、
喫煙者は+35mg/日が推奨。
5. サプリメントの活用
不足が気になる場合、
医師や栄養士と相談の上、サプリメントを利用。
まとめ
ビタミンCは免疫力の強化、
肌や血管の健康、ストレス対策など、
多岐にわたる効果を持つ重要な栄養素です。
不足すると壊血病や免疫力低下などのリスクが高まるため、
日常的に果物や野菜からバランスよく摂取することが大切です。
特に風邪の予防や回復期には、
ビタミンCを意識的に増やすことで健康をサポートできます。
健康的な食生活を通じて、ビタミンCを上手に取り入れましょう!

