プロテインが肝臓や腎臓に負担をかけると聞きました。
私は去年からプロテインサプリメントを控え、
食品からたんぱく質を摂るように切り替えました。
ただ、間食には毎日プロテインバーを食べています。
このプロテインバーとプロテイン(パウダー)
は同じものと考えて大丈夫でしょうか?
それとも、プロテインバーは量が決まっている分、
摂りすぎを防げるのでしょうか?
また、なぜ食品からたんぱく質を摂るよりも、
プロテインから摂る方が肝臓や腎臓に
負担がかかるとされるのでしょうか?
プロテインバーとプロテイン(パウダー)は全く同じか?
プロテインバーとプロテイン
(主にパウダー状のプロテインサプリメント)は、
たんぱく質を提供するという点で似ていますが、
いくつかの違いがあり、「全く同じ」とは言えません。
以下に比較します。
プロテインバーとプロテインの違い
項目 | プロテインバー | プロテイン(パウダー) |
|---|---|---|
たんぱく質含有量 | 1本あたり10~20g程度(製品による)。量が固定でわかりやすい。 | 1回あたり20~30g(1スクープ)。自分で量を調整可能。 |
他の成分 | 砂糖、脂質、炭水化物、添加物(香料、甘味料)が含まれることが多い。例:ナッツ、チョコレート、シロップなど。 | 主にたんぱく質(ホエイ、ソイなど)に特化。添加物は製品によるが、バーはより多い傾向。 |
消化・吸収速度 | 脂質や炭水化物の影響で吸収がやや遅い。間食向けで満腹感を得やすい。 | ホエイプロテインは吸収が速い(30分~1時間)。運動直後に最適。 |
携帯性・利便性 | 持ち運びが簡単で、調理不要。間食に最適。 | シェイカーや水が必要。準備がやや手間。 |
カロリー | 150~300kcal/本と高め(脂質や糖質による)。 | 100~150kcal/回と低め(純粋なたんぱく質中心)。 |
摂りすぎを抑える点での違い
プロテインバー
1本あたりのたんぱく質量が固定
(10~20g程度)で、過剰摂取を防ぎやすい。
特に、あなたが毎日間食で1本食べる習慣なら、
量がコントロールされているので、たんぱく質の過剰摂取リスクは低い。
ただし、砂糖や脂質が多く含まれている場合
(例:チョコレートコーティングのバー)、
カロリー過多や血糖値の急上昇が問題になる可能性。
肝臓(脂肪肝リスク)や腎臓(糖尿病性腎症の間接的リスク)
に影響する可能性があるので、成分表をチェック。
プロテイン(パウダー)
自分で量を調整するため、
つい多めに摂ってしまうリスクがある(例:1回40g以上)。
特に筋トレ愛好者が高たんぱく(体重1kgあたり2g以上)
を意識しすぎると、肝臓や腎臓に負担がかかる可能性。
純粋なたんぱく質に特化している製品が多く、
余分なカロリーや添加物が少ない場合も。
ただし、人工甘味料や香料が多い製品は注意。

結論:プロテインバーとプロテインは同じか?
全く同じではない
プロテインバーはたんぱく質だけでなく、
砂糖や脂質、添加物を含む「食品」としての要素が強い。
一方、プロテインパウダーはたんぱく質に特化し、吸収速度が速い。
摂りすぎを抑える点
プロテインバーの方が1本あたりの量が決まっているため、
たんぱく質の過剰摂取を防ぎやすい。
あなたが毎日1本(10~20gのたんぱく質)なら、
健康な人では肝臓や腎臓への負担はほぼ問題ない範囲。
ただし、バーに含まれる砂糖や脂質に注意(後述)。
なぜプロテインが食品より
肝臓・腎臓に負担をかけるのか?
「プロテインが肝臓と腎臓に負担をかける」
と言われた背景には、以下の理由が考えられます。
食品由来のたんぱく質(肉、魚、豆類など)と比較して、
プロテイン(特にパウダー)が負担をかけるとされる理由を説明します。
プロテインが負担をかける理由
高濃度なたんぱく質の摂取
プロテイン(特にホエイやカゼイン)は、
1回で20~30gのたんぱく質を効率的に摂れる。
食品(例:鶏むね肉100gで約20g)では同じ量を摂るのに時間がかかるため、
プロテインは短時間で大量のたんぱく質を摂取しやすい。
たんぱく質の代謝では、
肝臓がアンモニアを尿素に変換し、腎臓が尿素を尿として排出する。
このプロセスが頻繁かつ大量に行われると、両臓器に負担がかかる。
特に、体重1kgあたり2g以上の
過剰摂取が続くとリスクが高まる(例:体重70kgで140g/日以上)。
研究では、健康な人で1.6~2.2g/kgのたんぱく質は安全だが、
それ以上は腎臓のろ過負担(GFR上昇)を増やす可能性が指摘。
吸収速度の速さ
ホエイプロテインは吸収が速く(30分~1時間)、
一気に肝臓・腎臓に代謝負担をかける。
食品(例:鶏肉、豆腐)は脂質や食物繊維が含まれるため、
消化・吸収がゆっくりで、臓器への負荷が分散される。
急激な負荷は、特に腎機能が低下している人(例:慢性腎臓病)で問題になる。
添加物や加工度
プロテインサプリメントには、
人工甘味料、香料、増粘剤などが含まれる場合がある。
これらが肝臓の解毒負担を増やす可能性。
(ただし、微量で健康な人では問題になりにくい)
食品は自然な形でビタミン、ミネラル、
食物繊維を含むため、栄養バランスが良く、臓器への負担が少ない。
偏った摂取パターン
プロテインに頼りすぎると、
食事のバランスが崩れ、野菜や果物の摂取が減る。
これにより、抗酸化物質や食物繊維が不足し、
肝臓・腎臓の健康維持に必要な栄養が欠ける。
食品(例:魚、豆類)は、オメガ3やマグネシウムなど、
臓器をサポートする栄養素を含むため、総合的な健康に良い。

食品が負担をかけにくい理由まとめ
バランスの良さ
食品はたんぱく質だけでなく、
ビタミン、ミネラル、食物繊維を含む。
例:サーモンはたんぱく質20g/100gに加え、
オメガ3やビタミンDが肝臓・腎臓をサポート。
吸収の緩やかさ
食品は消化に時間がかかり、
肝臓・腎臓への負荷が分散される。
添加物が少なく、肝臓の解毒負担が少ない。
結論
プロテインは高濃度・高速吸収で、
短時間に大量のたんぱく質を摂取しやすいため、
肝臓(アンモニア代謝)と腎臓(尿素排出)に負担がかかりやすい。
特に、過剰摂取(2g/kg以上)や腎機能低下時に顕著。
食品は栄養バランスが良く、吸収が緩やかで、臓器への負荷が少ない。
プロテインバーの影響とアドバイス
プロテインバーの安全性
たんぱく質量
プロテインバー1本(10~20g)は、
健康な人にとって適量(体重1kgあたり1~1.6g/日)内に収まる。
例:体重60kgなら60~96g/日が目安で、バー1本+食事で十分安全。
肝臓・腎臓への負担
毎日1本なら、たんぱく質の過剰摂取による負担はほぼない。
ただし、バーに含まれる砂糖や脂質が問題になる可能性。
砂糖
前回の回答で説明したように、
過剰な砂糖(特に果糖)は肝臓(脂肪肝リスク)
や腎臓(尿酸上昇、糖尿病性腎症リスク)に影響。
成分表で「砂糖」「高果糖コーンシロップ」が多いバーは避ける。
脂質
チョコレートコーティングやナッツが
多いバーはカロリーが高く(200~300kcal)、
肥満や肝臓への負担リスクが上がる。
添加物
人工甘味料や保存料が肝臓の解毒負担を
わずかに増やすが、健康な人では問題になりにくい。
全体のたんぱく質量
あなたの食事+プロテインバーで、
1日あたり体重1kgにつき1~1.6g(例:体重60kgなら60~96g)を目安に。
筋トレをしている場合でも、1.6~2g/kgで十分。
水分摂取
腎臓の負担を軽減するため、1日1.5~2Lの水を飲む。
特にプロテインバーを食べる日は意識して。
YouTube動画の真偽
「プロテインが肝臓・腎臓に負担」
本当
過剰摂取(2g/kg以上)や
腎機能低下時に、プロテインは負担をかける。
ただし、健康な人で適量(1~1.6g/kg)なら安全。
誇張の可能性
動画は注目を集めるため、
「プロテイン=危険」と強調しがち。
適量のプロテインやバーは、食品と同等に安全。
あなたの習慣
プロテインバー1本/日は安全範囲で、
食品派への切り替えは賢明。
砂糖や脂質の多いバーを控えれば、さらに負担を減らせる。
まとめプロテインバーとプロテイン
全く同じではない。
バーは量が固定で摂りすぎを防ぎやすいが砂糖や脂質に注意。
パウダーはたんぱく質に特化し、吸収が速いが過剰摂取リスクがある。
高濃度・高速吸収で肝臓(アンモニア代謝)
腎臓(尿素排出)に負荷がかかりやすい。
食品は栄養バランスと緩やかな吸収で負担が少ない。
◉プロテインバー1本/日は安全。
低糖質・低脂質のバーを選び、週数回は
ゆで卵やヨーグルトに変えるとより良い。
全体のたんぱく質を1~1.6g/kgに抑え、水分を十分に。


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