(結果、血流も悪くなり)、段々と錆びると言われますが、
以下のようなメタ分析を見ました。
/
「埼玉県立大学らは、
高齢者はアキレス腱が若者より柔らかく
バランス能力の低下と関連していると発表。」
\
というものです。
高齢者の転倒防止は筋力退化に着目されていましたが、
腱は固くなるのではなく逆に柔らかくなるということに驚きました。
これは一体どういうことなのでしょうか?
本当でしょうか?
腱は筋肉とは反対に、
鍛えると固くなるものなのでしょうか?
※参考文献※
埼玉県立大学の研究活動
https://www.spu.ac.jp/news/?itemid=2613&dispmid=508
老化で腱が柔らかくなる研究は本当か?
埼玉県立大学のニュースは、
2025年11月2日に『Journal of Applied Physiology』
にオンライン先行公開された論文を基にしています。
この研究は、埼玉県立大学と
人間総合科学大学の共同チームによるもので、
高齢者(平均65歳以上)と若者(20-30代)を比較。
静止立位時のアキレス腱の挙動を詳細に測定しました。
超音波画像診断装置で筋肉と腱の長さを
リアルタイム追跡し、静止立位時の微小な揺れを分析。
筋力低下だけではなく、
腱の柔軟性増加が独立した影響を与えることを統計的に証明しました。
主な結果:
高齢者のアキレス腱の硬さは、
若者の約37%低い値でした。
\つまり、柔らかくなりすぎています。/

これにより、ふくらはぎ筋(内側腓腹筋)
の短縮と腱の伸長が強調され、
体の前傾を防ぐ力が効率的に伝わらず、
静かに立っているだけでも
姿勢のふらつき(不安定さ)が大きくなります。
この発見は孤立したものではなく
複数のメタ分析や系統的レビューで裏付けられています。
例えば、2018年のレビューでは、
高齢者のアキレス腱硬さが若者の約20-40%低下し、
歩行やバランス動作の機能低下と関連するとまとめられています。
別の2020年の研究でも、
硬さの低下が43%に及び、
弾性率も59%低下したと報告されています。
これらは一般公開されているデータベースで確認可能で、
加齢による腱の「柔らかくなりすぎ」が
転倒リスクを高めるメカニズムとして一致しています。
筋肉は固いとダメ?
腱は柔らかいとダメ?
一体どういうこと?
加齢のメカニズムと言われる
一般的な「体が固くなる」イメージは、
関節の可動域制限や筋肉の短縮
(例: ハムストリングの硬直)を指すことが多く、
血流悪化や「錆びる」ような酸化ストレスも関与します。
しかし、アキレス腱のような腱組織は異なります。
腱は主にコラーゲン繊維でできており、
20-30代でピークを迎えますが、
40代以降でコラーゲンの交差連結(架橋)
が減少し、繊維の乱れや弾性低下が起こります。
これにより、腱の「バネ」のような剛性が失われ、柔らかくなります。
結果、
筋肉の収縮力が骨にスムーズに伝わらず、
エネルギー損失が増え、姿勢制御が不安定に。
静止立位時、重心が足首前方にあるため、
アキレス腱は常に「ロープ」として働くのですが、
柔らかすぎると筋肉が過剰に短縮し、微調整ができなくなります。

なるほど、
運動嫌いな父が
前に倒れるようになったのは
このせいもあるな。

年を取ると
思った通りに
体を制御できないのよねぇ…
50~60代に鍛えておけばよかった。
筋力退化との違い
転倒防止の研究は確かに筋力低下
(サルコペニア)に焦点が当たっていましたが、
この研究のように腱の柔軟性増加が
独立した要因であることが近年明らかになりつつあります。
つまり、「固くなる」のは
筋肉や関節周囲の結合組織の一部ですが、
腱は「緩む」方向に変化し、全体の連動性が崩れるのです。
これが血流悪化を助長する一因にもなります。
腱は筋肉とは反対に
鍛えると固くなるのか?
腱は筋肉とは逆の適応を示します。
筋肉はトレーニングで太く強くなる(肥大)一方、
腱は繰り返しの負荷でコラーゲン繊維を再配列し、
硬さを高めます。
これは「メカノトランスダクション」と呼ばれるメカニズムで、
腱が「賢く」適応する証拠です。
証拠
プライオメトリックトレーニング(ジャンプ系)
や抵抗トレーニングで、腱の硬さが15-18%向上した例が複数報告されています。
例えば、10週間のプログラムで等尺性収縮(静的負荷)
が硬さを増加させ、着地時の衝撃吸収を改善。
女性や高齢者でも、強度を上げたエクササイズで効果が確認されています。
実践的な示唆
高齢者の転倒防止には、筋トレに加え「腱トレ」
(例: 壁押しやカーフレイズのスロー版、または軽いジャンプ)が有効。
急激な負荷は逆効果(損傷リスク)なので徐々に。
研究では、これで硬さが回復し、バランススコアが向上したケースがあります。
当然スクワットでも筋肉→関節→腱と連動しています。
私は加重スクワットを週2回2年続けていますが、
これは腱も鍛えている事になっているのでしょうか?
それと全く無意味でしょうか?
加重スクワットを週2回、
2年間継続されているのは素晴らしい習慣です!
確かに、筋トレ全般で腱は筋肉と連動して使われますが、
特にスクワットのような複合運動は膝関節周りの
腱(膝蓋腱)やアキレス腱に大きな負荷をかけ適応を促します。
結論からお伝えすると、
これは腱の「張り」(硬さ)を鍛え全く無意味ではありません。
むしろ、科学的根拠から見て効果的です。
以下で詳しく説明します。
・加重スクワットが腱に与える影響
スクワットは下肢の筋肉
(大腿四頭筋、ハムストリング、ふくらはぎなど)を主に鍛えますが、
腱組織も同時にストレッチ・収縮を繰り返すため、
コラーゲン繊維の再配列が進み、硬さが増します。
これは「腱のメカノ適応」と呼ばれ、
筋肉の肥大とは逆方向(硬く・弾力的に)ですが、連動して機能向上します。
・膝関節の腱(膝蓋腱など)への効果
加重スクワットは膝蓋腱に直接的な張力をかけ、
特に深いレンジ(フルスクワット)で効果的。
研究では、
12週間の重いスクワットトレーニングで
膝蓋腱の硬さが有意に増加し、
筋力向上とともに腱の耐久性が強化されたと報告されています。
また、等尺性(静的)スクワットでも
同様の硬さ増加が確認されており、
長期継続で蓄積効果が期待できます。
・アキレス腱への効果
スクワット時の足関節伸展でアキレス腱が関与します。
高負荷の抵抗トレーニングでアキレス腱の硬さが向上し、改善する適応が起こります。
ボディウェイトだけでは変化が少ないですが、
加重なら強度次第で硬さ15-20%向上の可能性あり。
2年間の週2回継続は、
短期(12週)研究の延長として見て、
腱の構造的強化(コラーゲン密度向上)が進んでいるはずです。
加齢による柔らか化を防ぐ予防効果も期待できます。
・ただし、以下の点に注意
強度とフォーム: 負荷が適度(例: 最大挙上重量の70-80%)で、
ゆっくり降ろすエキセントリック動作を入れると腱適応が最大化。
速い動きはひずみを増大させるので、怪我リスクを避けましょう。
・個別差
年齢や遺伝で反応が変わるので、痛みが出たら休養を。
深いスクワットは関節に優しいですが、膝痛持ちの方は浅めから。
・追加のヒント
スクワットにプライオメトリクス
(軽いジャンプ)を加えると、腱の爆発的硬さ強化に効果的。
まとめ
加重スクワットは、
腱の張りを確実に鍛えます。
スクワットの積み重ねは筋肉だけでなく
腱の「バネ」機能を維持・向上させ、
加齢変化を遅らせる強力なツールです。


コメント
筋トレしてない日本人は本当に弱すぎる
情けない