【6割違法】おとり物件の不動産屋でバイトした話【内部事情】

おとり物件とは?

空いていない物件を空いてるかのように表示(広告)し、
それをおとりとして他の物件をお客様に紹介する行為。

条件の良い物件で、お客さんを釣る

来店した後は、
不動産「今、決まってしまいました残念です。でも違う物件を紹介します!」

という流れて契約に結びつける。

違法なのか?

実際に募集をしていない物件を載せる事は
宅建業法・景品表示法違反となり
法律的にも禁止されている行為。

違法であるにも関わらず、
20年以上続いている手口だ。

テレビや取締りなどで多くの方に
おとり物件の存在を広める事は出来ているが
全く無くなる気配は無い。

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おとり物件の不動産屋で働く

私は20代の頃、
渋谷のおとり物件の不動産屋でバイトしたことがある。

はじめは”悪い会社”とは知らず
ただ稼ぎたい一心で申し込んだ。

当時はバイトを1ヵ月しても13万程度だったものが、
その不動産屋の従業員は月に150万程貰っているという。

年齢が変わらない従業員が
札束をごっそり持っているのは衝撃的で
「俺も頑張って150万稼ぐぞ!」と気合いが入った。

バイトの内容

不動産について知識ゼロの私は
はじめから、お客さんに部屋案内が出来るわけがない。

はじめの仕事は、
誰よりも早く会社に来て
看板を出す鍵を開けるなどの雑用がメインで、

ガラの悪い社長や社員のパシリが基本で
ドトールで昼食を買ったり、タバコを買ったりの日々だった。

初任給は?

「俺も早く150万ほしい!」と
野心に満ちていたが、なんと給料は0円。

この会社は、完全歩合制で
お客さんと契約しなれば、
自分には1銭も入って来ないシステム。

「一年程度は0円なんだろうなぁ」

しかしながら、
「今は我慢すれば、いずれはお金持ちになれる」
と信じ、頑張る事を決意する。

厳しいのは、従業員からのアドバイスや
仕事のやり方を教えてもらえない点。
「稼ぎたいなら盗め!」という世界だった。

しかしながら、若く元気な時期なので
「絶対稼ぐ!」と、かなりの覚悟を持って挑んだ。

違和感の日々

雑用をしながら、
先輩達の接客術を盗んで
自分の物にしなければならない厳しい世界だったが、

知れば知るほど
怪しさ”が見えてきた。

あれ?物件が無いぞ。。

毎日同じ光景を目にする。

広告を見て来店したお客さんに対する言葉が
毎回、従業員「先ほど埋まりました」という返答。

「実際に無い物件を雑誌に載せているんだ・・・汗」

この時、
おとり物件という存在をはじめて知る事になる。

当時はまだ、おとり物件という言葉が無かったかもしれない。
ネットが普及しておらず、現代のように”拡散”される事がなかった時代だ。

違法行為をして稼いでいたのか!!

卑怯極まりない

当然、「埋まりました」と言った後は
他の物件を紹介し契約を狙う事になるが、
この先を知ってから心が折れた

普通に紹介するならまだマシな不動産だが
ここでは違った。

強引な仮契約

なんと!
「絶対に内見をさせないで即契約させる」手口を進めるのだ。
(めんどくさいので内見はさせず契約優先)

言葉巧みに契約させるやり方は極悪人そのもの。
従業員「オーナーに電話する」と言い
電話をかけたふりをして

従業員「え?人気ですか?今なら間に合うのですね!そんなに人気なんですか!」
(受話器を持っているが誰とも繋がっていない)

などと嘘の会話を聞かせ、
従業員「今契約すれば大丈夫!こんなチャンスは無いですよ!最高の物件だ!」
一度も見た事がない物件を契約させようとします。

気の弱いお客さんは契約へ

このような半分焦らせて契約させるやり方は、
学生など世の中を知らない方や、気が弱い方は簡単にサインをしてしまう事になる。

他人を不幸にして稼ぐバイトだった

バイトを始めて1ヶ月もすると
「今日もお客さん可哀相だなぁ・・・誰も来なければいいのに」
と言う気持ちが湧いてくる。

元々正義感が強いタイプは、
このような人を不幸にして稼ぐやり方は許せない。

免許没収で再来店狙い

契約を急かされた客は、当然困ってしまう。
しかしながら店員側は引かない。

お客「今は、お金が無いから」
お客「ちょっと考えたい」
など、即契約を躊躇する客には
仮契約だけ結び免許を没収する行為に出る。
(見込み客確保)

免許は裏の社長室に貼られるが、
実態を知った客は、再度支払いに来る事は無い。

もちろん、中には腹を立てたり
「免許返せよ」と後から親が来る場合もあるが
店からしたら「めんどくさい客」を相手にはせず
そんな部屋は無いと追い払い、関わらないようにする。
契約しそうな気の弱い人だけを狙う手口。

強引な契約成立

契約する人が6割
出来ないのが4割程度
かなりの成功率なので

従業員の間では
従業員A「次の客は俺にやらせろ!」
従業員B「次は俺に回してくれ」
従業員C「パチンコ屋にいるから客来たら呼びに来てくれ」
という会話を毎日のように耳にした。
(カモからお金を奪うやり方に衝撃を受けた)
従業員は1日、3~6人程度と契約を結ぶ。

私はこのように
相手を不幸にしてお金を稼ぐ仕事とは思っていなかっただけに
かなりショックを受けた。

バイトを辞める

正義の心を持っている私は怒りを覚え
翌日から何も言わずに行くのをやめた。
会社から電話が来たがキッパリ断った。

東京の真ん中(渋谷)で
堂々と店舗を持ち、新社会人を騙すやり方は最低だ。
こんな事が今もなを続いているとは許せない。

おとり物件を検索

おとり物件を検索できるサイトがある。
ノマドというサイトは対応エリア内の物件を調べる事が出来る。

他のサイトで見た物件のアドレス(URL)を入力すると
その部屋が本当に募集しているのか?調べる事が出来る。
(無料検索可能)

恐ろしいのが、その検索結果で
およそ6割がおとり物件だったという事実。
ズルをしたたもん勝ちになっているのが不動産業界だ。

自分の身は自分で守るしかない。




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