「健康リスク少ないのに!」との喫煙者の声がありますが、
煙が軽減されただけで実際はとても
害があると聞いたことがあります。
実際のところを教えてください。
これで僕は安全ですか?大丈夫ですか?
心臓や肺は大丈夫ですか?
加熱式タバコは、紙巻きタバコに比べて
健康リスクが少ないという主張がありますが、
これは科学的に根拠のないものです。
加熱式タバコの煙には、
ニコチンや発がん性物質などの有害な物質が含まれており、
喫煙者本人や周囲の人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
加熱式タバコは販売されてから間がなく、
長期的な健康影響についてはまだ明らかになっていません。
そのため、安全だと断言することはできません。
加熱式タバコは、改正健康増進法で
禁煙場所での使用が禁止されており、
健康保険による禁煙治療の対象となっています。
日本で売られている「加熱式タバコ」は、
アイコス、プルームテック、グローの3種類です。
これらは紙巻きタバコと違って、
タバコ葉を燃やさずに加熱して(温度はメーカーによって違います)、
ニコチンを含むエアロゾルを吸います。
葉タバコを使っているので「たばこ事業法」の対象で、
タバコとして売られています。
包装にも「本製品は、たばこ製品です」と書いてあります。
2020年からは、「健康への悪影響が否定できません」
という警告表示が入りました。
「加熱式タバコ」のパンフレットには、
「健康懸念物質を99%オフ」や
「国際公衆衛生機関が優先する9つの有害性成分の量の低減率が約90%」
「有害性物質約90%オフ」などと書いてあります。
これらは、「紙巻きタバコよりも有害成分量が少ない」
ということをアピールしています。
皆さんは、これを見て、「加熱式タバコ」で
「健康障害」が起きにくいと思いますか?
多くの人がそう思ってしまうでしょう。
でも、よく読んでください。
「有害性物質が減っている」とは言っていますが、
「病気になるリスクが減る」とは言っていません。
うまく書かれていますね。
タバコの煙では、「有害物質の低減率」は
「健康リスクの低減率」にはなりません。
米公衆衛生局長官の報告書(2010年)によると、
タバコの煙には「安全なレベルはない」ということが証明されているそうです。
受動喫煙も含めて、少量の煙にさらされても、
血管の働きが悪くなり、炎症が起き、
心臓発作や脳卒中の原因になると警告しています。
1日にタバコ数本でもリスクあり?
1日に2~3本しか吸わない人や、たまに吸う人、
受動喫煙を受ける人も、心血管の病気の
リスクが高くなるという証拠があるそうです。
さらに、「タバコの煙の健康リスクは直線的ではない」という見方もあります。
日本禁煙学会も、わかりやすく説明しています。
「加熱式タバコ」の有害物質は少ないと言っていますが、
1日3本の喫煙でも、1日20本以上の喫煙と同じくらい
心臓病のリスクがあるのです。
有害物質が10分の1になっても、
病気の危険度が減るとは期待できません。
世界保健機関(WHO)や日本の学会などは、
受動喫煙には「安全なレベルはない」と言っています。
高齢者や子供や病人は、
少しの受動喫煙でも大きな被害を受けます。
「加熱式タバコ」も受動喫煙の危険があります。