会社から不正に入手したなどとして
イトーヨーカ堂の元社員の男が逮捕されました。
男が行った「カラ出張」は750回以上とみられています。
と言うニュースがありましたが、
カラ出張とはどのような事でしょうか?
領収書が出ると思うので
嘘はつけないと思うのですが
どのように誤魔化すのですか?
もしかして領収書は会社に届けて
その後キャンセルするのですか?
カラ出張とは、実際には行っていない出張や
かかっていない交通費や宿泊費などの出張費を会社に申請し、
経費や手当を不正にだまし取ることです。
カラ出張は単なる社内規定違反というだけでなく、
詐欺罪や有印私文書偽造罪などの犯罪行為にあたります。
カラ出張の手口には、架空の出張申請、交通費の水増し、
新幹線や航空券の払い戻し、宿泊先の変更や金券付きプランの利用、
接待交際費の水増しや私的交際費の申請などがあります。
カラ出張を防ぐためには、出張旅費規程を整備したり、
出張手配システムを導入したりすることが有効です。
カラ出張は会社に大きな損害を与えるだけでなく、
社員の信頼やモラルも低下させる恐れがあります。
カラ出張を発見した場合は、証拠を集めて本人に事実確認をし、
厳正に処分する必要があります。
カラ出張の手口
カラ出張の手口には、様々な方法があります。
例えば、以下のようなものが挙げられます。
●領収書を改ざんしたり、
架空の領収書を作成したりする。
これは私文書偽造等罪にあたり、
刑法第159条で罰せられます。
●新幹線や航空券を購入した後、
払い戻しやキャンセルをしてお金をだまし取る。
これは業務上横領罪にあたり、刑法第253条で罰せられます。
●宿泊先を変更したり、
金券付きプランを利用したりして宿泊費を水増しする。
これも業務上横領罪にあたります。
●接待交際費を水増ししたり、
私的交際費を申請したりする。
これも業務上横領罪にあたります。
●架空の出張や参加していない
セミナーの出張費を請求する。
これは詐欺罪にあたり、刑法第246条で罰せられます。
カラ出張は犯罪行為であり、
会社に大きな損害や信用失墜をもたらします。
また、社員のモラルやモチベーションも低下させる恐れがあります。
カラ出張は絶対に行わないようにしましょう。
処分や刑罰
カラ出張によって
受ける可能性のある処分や刑罰は以下の通りです。
*減給や出勤停止*
比較的金額が安かったり悪質さが
認められなかったりするときは、
減給や出勤停止処分で済ませることも可能です。
一定の罰を与え、深い反省を促します。
*懲戒解雇*
カラ出張に対する処分は、
会社としてはもっとも重い懲戒解雇、
いわゆるクビになる可能性が高いです。
本来は「就業規則の規定違反」や
「解雇の合理的な理由がある」などの事実が必要ですが、
カラ出張は十分な理由となるでしょう。
懲戒解雇になると、退職までの猶予期間や退職金はありません。
ケース次第では解雇予告手当もなしです。
次の就職先を探すときに、応募先にも
マイナスイメージを植え付けることになります。
*業務上横領罪*
経費分のお金を私的な目的で横領したときは、
刑法第253条の「業務上横領罪」にあたります。
10年以下の懲役刑です。
*私文書偽造等罪*
領収書を改ざんしたり
架空の領収書を作成したりなどの不正は、
刑法第159条の「私文書偽造等罪」にあたります。
3ヵ月以上5年以下の懲役刑です。
*詐欺罪*
不正の中で「会社を騙す行為」が認められたときは、
刑法246条の「詐欺罪」が適用される可能性があります。
10年以下の懲役です。また不正に荷担した人は
「詐欺幇助」として、刑法第62条の
「正犯を幇助(助けた人)」として処分されるかもしれません。
※カラ出張は絶対に行わないようにしましょう。
会社や自分自身にとっても何のメリットもありません。
コメント
男は架空の出張情報を入力し、計約2400万相当の新幹線のチケットをだまし取り、換金して着服した疑い。社内調査で発覚後、同社は昨年5月に懲戒解雇し、翌6月に警視庁に相談していた。
五万円くらいほしい